T.鉄砲の知識
1 . 火縄銃について
火縄の先端に点火された生火を直接火薬に着火して撃発する銃砲
分類 |
短筒護身用と馬上の兵器として使用された馬上筒がある
|
小筒 |
ロ径1 o m m (2 匁筒) 以上〜 1 4 m m (5 匁筒) 中筒より長く命中率が高い、足軽筒と狭間筒がある |
中筒 |
口径1 5 m m (6 匁筒) 以上〜 1 9 m m ( 1 2 匁筒)
鉄砲隊の実用銃として使用され、土筒と言われる |
大筒 |
口径2 0 m m ( 1 8 匁筒) 以上〜3 0 m m (4 0 匁筒)
戦用として破壊力及び威嚇効果が高い
[ちなみに大砲はロ径4 0 m m ( 1 0 0 匁筒) 以上〜 8 7 m m ( 1貫目筒) ] |
|
銃の各部名称
銃口、銃床、火蓋、火皿、火挟み、引き金、雨おおい、かるか、目釘、等 |
2 . 付帯備品について
(1)銃又は隊員の数が必要な付帯備品
@胴乱 |
早合(薬莢)、火縄などを入れ、腰に付ける容器で皮革造りが多い |
A火薬入 |
事故に備え危険性の少ない動植物の木・竹・鼈甲・角が使用された
口火薬入 :点火用として粉末状の火薬を入れる
薬莢(早合) :発射用の粒状の火薬を入れる |
B火薬 |
黒色火薬(硝石・硫黄・木炭を混合したもの) を使用する
※県公安委員会へ消費許可(演武実施許可) 申請を提出、消費許可が下りた後、火薬譲受(購入許可)
申請を提出し、購入許可書が交付されてからでないと購入できない
硝石: 無色透明または半透明のガラス光沢をもつ結晶 |
C火縄 |
(隊として一括作成する)
竹・桧・麻・木綿を素材として作られ、戦用には木綿が用いられた
・色は隊として統一した染料を使用し、乾燥させる
・硝石の粉末を水に溶かし染み込ませて乾燥させる作業を数回繰り返したものを使用する |
Dセセリ |
(火縄銃の火皿・火穴を掃除する針金) |
(2〉隊としての必要備品
・洗い矢、工具(ペンチ、ドライバー等) 、オイル類
ハ・口火薬作成用の小さい摺鉢とスリコギ
・銃を手入れするウエス類 |
3 . 火縄銃操作方法について
1 火縄を中指に挟み、銃口を左手に待機姿勢
2 薬莢込め(銃身を前に半回転させる)
3 かるか抜き・突固め
4 火ばさみ持ち上げ固定する
5 火蓋開け
6 火皿に口火薬充填する(親指で強く押える)
7 火蓋閉じる
8 余分な口火薬を吹き飛ばす
9 火縄中指に挟み、銃口を左手に待機姿勢
10 (的前に着け)
11 銃を胸で抱え込む(1・2・3の構え)
12 5歩前進、右足を後方にすり足で引く
13 火縄を吹いて火気の確認
14 火ばさみに火縄の装着
15 火蓋開け
16 左足に重心をおくように銃口を上段から水平に構える
17 引き金を引く(3秒そのまま、残身姿勢を維持)
4 . 射撃姿勢について
発砲姿勢基本三姿勢@立放しA膝放しB腰放し
発砲後の姿勢残身の姿勢
5 . 射撃方法について
@点射; つるべ撃ちとも言う、1 番射手より順次発射する
A斉射; 一斉射撃
6 , 不発処理
※絶対に慌てないこと
処理手順
@遅発の懸念があるため、構えたまま5 秒位待つ
A銃口を上に向け、右手の中指で火蓋を閉じながら親指と人差し指で
火縄を外す
B左手に火縄を持ち替える
C火蓋を開きセセリで火穴を掃除し、火皿に点火薬を入れ直す
D火縄を付け火蓋を切り、構える
※不発の原因を究明する
不発原因: 火縄の付け方が悪いく銃により火皿への落ち方が異なる)
※射手ごとに使用する銃は変えないよ引こずる
点火用火薬の入れ方が悪い、(火薬の入れ忘れ)
火蓋を切らないで引き金を引く
発射用火薬の入れ忘れ
7 . 火縄銃の歴史
1 . 基礎訓練
@発射用火薬の装填とカルカの取り扱い
A点火用火薬の装墳
G火縄の装着
C銃の構え
D発砲
E残身
2 . 射撃三姿勢訓練
@立放しA膝放しB腰放し
3 , 射撃方法の訓練
@斉射: 一斉射撃
A点射: 1番射手より順次発射する留意点: タイミングの取り方
4 , 不発処理の訓練
演武実施1 ヶ月前に火薬類消費許可申請を提出し、許可が下りてからの訓練となる
※火薬の火花、着火した火縄に対応するため、木綿の衣服を着用のこと
訓練順序
1 . 火薬未使用での操作訓練
2 . 口火薬を使用しての操作訓練
口火薬の作成: 発射用火薬を小鉢ですり潰し、ロ火薬入に収納する
3 . 実射訓練
弾の作成: 薬莢に所定量の火薬を入れ、胴乱に収納する
最初は、規定量より少なめにして体験する
4 . 不発処理の操作訓練
@不発処理手順の確認
A再発砲
G不発原因の究明
(1)分解
(2)洗浄
(3)組立
※松山隊内規: 原則として、1年目は演武出演は出来ない。
(1)隊の編成と射手番号の決定 |
|
@隊編成 |
三隊編成(三段構え) を基本とするが、場所・時間等の
状況に応じて編成する |
|
A射手番号 |
検閲席・観客に近いほうから一番・・・
一番射手が隊行動のリーダーとなる |
(2)行進動作の訓練 |
|
@銃の持ち方:銃口を左側にして斜め上に向け、胸の前で持つ |
|
A歩行動作は、常に右足より開始する |
|
B控座より本座へは7 歩 |
|
C本座より的前(射座) へは5 歩 |
|
D的前での姿勢体を右に開きながら、右足を一歩引く |
(3)射座交替号令により本座と的前の間で行う |
参考:基本的な演武順序
短筒の演武 |
@片手撃ち |
A添え撃ち |
隊編成の濱武 |
@立放し点射 |
A立放し斉射 |
|
B膝放し点射 |
C膝放し斉射 |
|
D腰放し点射 |
E腰放し斉射 |
|
F収射点射 |
G収射斉射 |
大筒の演武 |
@置放し |
A抱え撃ち |
鶴岡警察署生活安全課経由、山形県公安委員会への提剛順序と提出書類一覧
T.演武実施(実射訓練を含む) を許可してもらうための提出書類
※演武実施1 ヶ月前の提出を原則とする
1 . 猟銃用火薬類等消費許可申請書(様式第1 0 号) 1枚
※ 実射訓練分を含めた火薬量で申請する |
別紙銃の許可証(登録) の番号 1枚
※使用予定銃全てを記載する |
2 . 使用目的 1 枚
※市長の出演要請状を添付する |
3 . 濱武場所位置略図及び消費現場略図 4 枚
※実射訓練と演武場所が異なる場合は、訓練用2 枚・演武用2 枚となる |
4 . 黒色火薬消費計画書 1枚
※ 実射訓練分を含めた火薬量とする |
5 . 使用銃砲一覧表 |
6 , 銃砲刀剣類登録証(写) |
7 . 演武者名簿 |
8 演武行事実施要領
※祭典全日程の実施要領を添付する |
9 . 誓約書
※行事主催者と演武実施団体の責任者の連名で作成する |
U.火薬購入のための提出書類※消費許可がおりてから提出する
1 . 猟銃用火薬類等譲受許可申請書(様式第2 号)
消費許可申請で記載した火薬量とする
※ 以下前記消費許可申請書の提出書類の写しで可
別紙銃の許可証(登録) の番号 |
2 . 使用目的 |
3 . 濱武場所位置略図及び消費現場略図 |
4 . 黒色火薬消費計画書 |
5 .使用銃砲一覧表 |
6 . 銃砲刀剣類登録証(写) |
7 . 濱武者名簿 |
8 . 演武行事実施要領 |
9 . 県証紙3 , 5 0 0 円 |
V. 猟銃用火薬類等譲受許可申請と同時に譲受許可証が交付される許可証持参により火薬の購入が可能となる
※ 許可証は、購入完了または有効期限が過ぎたら鶴岡警察署生活安全課に返却しなければならない
|